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ホモフィリー最強説

2019年8月21日 16:33  その他企画経営

先日、「さとなお」こと、佐藤尚之さんの講演を拝聴した。

すでによくご存知の方も多いと思うが、
今、ホットな(死語)マーケティングとして知られる、
ファンベース」を提唱されている方である。

同級生に紹介されて読んだ著書に見事にハマり、社内で社員に読ませ、
ことあるごとに、周りでもおススメしている、すっかりファンの一人となった。

おおよそ本にも書かれていることがあるので、ネタバレもあるが、
講演の内容を備忘録として、ここに記しておきたい。

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【今いる顧客を大切にする】
彼らにたいして、いかに誠実になれるか。
→「感情を相手にする」。

ファンとは「自社の大切にしている価値観を理解して支持してくれる人」と定義。
だから、企業としては、機能価値を追求するのではなく、情緒価値を高めていく。
→ここはコピー(マネ)できない!

【実は、地方はネットがいらない?】

ファクトとして、情報産業の80%が、都心部に集中している。
電車とマイカーの年間利用率を比べると、電車利用はほとんどが大都市圏。
そもそも地方ではそれらが発展していない。代替するものは、おそらくバス。
→「ホームでスマホ」は当たり前の風景ではなく、実は限られている。

SNSのヘビーユーザーの22%が、利用時間80%を超えている。
ツイッターのバズも、コアな900万人の中でだけ起こっている。
全日本国民のたった7.5%程度。
→デジタルは使えば使うほど、それ以外が見えなくなってしまう危険性。

【最も強いインサイトは、「家族や友人からのおススメ」である】

信頼度は、有名人などの3倍ある。
→価値観が近く、自分にも合っているのでは、という気になる。

ホモフィリー(Homophily)=似た者同士、類は友を呼ぶ
その信頼する人が、「+熱意」を持って勧めるものは=最強!

【ファンは少数(20%)である】
パレートの法則はしっかりと作用している。
ファンマーケティングではなく、ファンベース。
だから、ファンを「増やす」のではなく、「大切にしていく」という考え方。
どんなものでも、全員に好きになってはもらえない。当たり前。
いいところをどんどん伸ばしていけばいい。
→ある程度、割り切る。悪いところは無視。笑

【ブランド(店)の価値を磨くこと→商品ではない!】

共感 =常連の価値を磨いていく。     → 熱狂!
愛着 =その価値を他には代えがたいものに。→ 無二!
信頼 =提供元の評判、評価をアップさせる。→ 応援!

【浮動層に惑わされない。】
彼らは根付かない。流れていくだけ。
→ブームは流行。結局「流れて行く」ものだ。

オーセンティックなバーに常連(古い固定客)がいる。
店主は新規(例えば若い人)にも来てほしいな、と思う。
それに向けて施策 → 流行りのカクテル?価格を下げる?
ある程度は来るが、根付かない。
結果、常連も居心地が悪くなって去ってしまう。。。

常連に、若い人を連れてきてもらう。
それに向けて施策 → 会員制と称する?名前で呼ぶ?
新たな若い客に特別な場所となる。常連客も鼻が高い。
→老舗のスナックのママは、この辺りが実にうまい。

【とにかくファンから「傾聴」する】

考え方としては、「身近な人に喜んでもらうにはどうすることか?」
テクニックではなく、対人。相手をよく観察する。
アンケートやヒアリングは意味がない。
想像の範囲を超えないし、こちらが意図した「ほしい答え」が出るだけ。

ファンミーティングをしてもらい、ファン同士で好きに話をしてもらう。
→それに聞き耳を立てているだけ。導かない。どこにツボがあるかを探っていく。

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SNSのところは、改めて気づかせてもらった。
いわゆるファクトフルネスが効いている。

先日の参院選の投票率をみると、それが如実に表れているといっていい。
あれだけSNS上でみんな行こう、義務だ、この人の話を聞け。頼む、行くだけでいいから。
そういったツイートやポストがあったにもかかわらず、
投票率がほとんど過去と変わっていないという事実。

そして、話題性のある方の当選など、少し趣の違う現象が起こったことも、
その結果と言えるのではないだろうか。

一部の方々にとっては嘆かわしい事実でもあるだろうが、
結局のところ、SNSユーザーの意識が高まって、あとは、ご年配の方々だろうか、
そのあたりの投票率が高かったのだ(これは以前と変わらないのだとおもう)

いずれにしても、政治家にとっては、選挙戦こそまさにファンベースだ。

100食限定でそれ以上は作らない。結果売上至上主義から解放された飲食店がある。
あまたある菓子パンの中から、クリームパンに絞って成長したパン屋がある。
企業からの試作の依頼が殺到する試作屋がある。
商品は、ジーンズだけのアパレルショップがある。

多くのマーケティングが成功事例として取り上げられるが、
真夏の夜の夢のごとく、消えてなくなったものも星の数ほどいる。
そこの違いをしっかりと見極めなければならない。

果たして自社は世の中に何を提供している会社なのか。
逆に何を求められているのか。どこを評価してもらっているのか。

効率ではなく、「寄り添う気持ち」が大切なのだ。と、さとなお氏は最後に教えてくれた。

(ファンベースの取り組みの一環として行った工場見学会)

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まくらのキタムラ
北村圭介





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