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MAKURAもKIMONOも、みんなのもの
キムカーダシアンというアメリカのタレントが、
補正下着のブランド名としてKIMONOを申請したことが話題になった。
日本人らしい反応で、当の本人は嘲笑しているのではないかと思う。
これもひとつの炎上商法なのかもしれない。
彼女は一部の限られたファン層から飛び出し、一躍、時の人になった。
もちろん日本においてだが。
結果的には、申請を取り下げ、別の名称にすることで終息したわけだが、
同じような経験から、受理されることはないだろうとは思っていた。
ただ、アメリカの特許庁も、「いい仕事」するのだ。
おおむねここに書かれている内容と同じではあるが、
当社の顧問弁理士にも、本件について確認したところ以下の回答を頂戴した。
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最も登録されにくい指定商品は、類似群コード(世界共通)が17A03の和服(≒着物)です。「KIMONO」は英語において和服の一般名称ではありませんので、本来、登録の可能性はゼロではありません。
しかし、日本語としては和服の一般名称であり、現在のネット社会を考えると、その事実を米国でも入手できるとは思いますので、登録は難しいのかなと思います。御社で出願した「MAKURA」はまさにこのパターンでした。今回の出願人も、アメリカでは「KIMONO」は被服の一般名称ではない、という事実を根拠として出願したはずです。
次に登録されにくいのは、類似群コード17A01の洋服や17A02の下着・寝巻き類です。これは、「KIMONO」が広義で日本語としての衣服を意味しますので、「KIMONO」は英語において洋服等の一般名称ではありませんが、身につける指定商品については現状では登録が難しいかもしれません
一方、登録の可能性がでてくるのは、かばん、ベルト、くつ類です。これは、かばんや靴に対して「KIMONO」は元々日本語でも一般名称ではないため、登録の可能性はあると思います。
なお、「KIMONO」に何かワードが追加されて、「KIMONO○○○」という商標の形になってくると、今度はそれは「造語」になってくるので「17A03の和服や17A01の洋服など」でも登録の可能性がでてくると思います。
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アメリカの特許商標庁(USPTO)は手ごわいのだ。
文化的背景もしっかりと見極めてくる。
ある意味では安心といえる。
そもそもどういう経緯で漏れ伝わったのかわからないが、
騒がずとも法の番人は正しい判断をしただろう。
うちも文化的側面から切り込んだにもかかわらず、リジェクトされた。
うーむ、タイミングがちょっと遅いんだな。
(参考:なぜMAKURAを商標登録したのか)
まくらのキタムラ
北村圭介
北村 圭介
株式会社キタムラジャパン
代表取締役
大正12年創業の枕専門メーカー「枕のキタムラ」4代目。曾祖父から伝わる経験やノウハウを活かし、眠りに対するキタムラのエスプリを枕にしています。枕屋4代目のブログ「まくろぐ」では、枕のことがメインですが、睡眠やモノづくり、マーケティングなど独自の想うことを書きます。