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付加?違う。価値は【生み出す】んだ。
名古屋市からの受託事業として、NPOメイド・イン・ジャパン・プロジェクトで
デザイナー梅原真氏を迎え、セミナーを開催した。
「プロフェッショナル 仕事の流儀」などにも出演したことで知られる、
地域に根付いた、土地の力を引き出すデザインに定評がある。
一方、非常にストイックであり、いい加減なことを嫌う。
分かりやすく言えば、「気難しい怖い人」カナ。
滅多に講演なども行わないそうだが、
プロジェクトを担当していただいたゴーアヘッドワークス蒲さんの熱意に絆され、
この度、「あまり行ったことがない」という名古屋へお越しいただいた。
高知県の土佐山田にある事務所まで、事前挨拶へ伺う際も
関係する書籍を読み漁り、WEBも調べ、できるだけ準備していったにもかかわらず、
いざ目の前にすると、ものすごい存在感で、勝手に圧倒されてしまい、しどろもどろに。。。
当日もどうなることかと、ずっと不安だった。
そのことは100名を超える参加者はみんな知っていたようで、
始まるまでは、いつになく緊張感が漂っていた。
しかし、一言話し始めたら、一気に、梅原ワールドに会場が引き込まれる。
感嘆する場面や、笑顔がこぼれる、とても和やかな雰囲気となった。
プレゼン資料も、さすがのクリエイティブで分かりやすく、
90分という時間も、あっという間に流れた。
人のもので測るのではなく、自分たちの尺、モノサシで測るということ。
個性を想い、それを活かす(生かす、かもしれない)ということ。
彼は70歳にもなるが、あえていうと好奇心の塊みたいな人。
スタンスとしては、「おもしろがる」だ。
それは、本質を見極めるということとイコールなのかもしれない。
ローカルを探っていったら、世界へつながったというように、
砂浜美術館や四万十バッグは好例であり、実際に世界各国で展開されている。
ローカルを追求している居酒屋が、実は超グローバルだったという話をきいたことがあるが、
つまり、そこにアイデンティティがあり、それが唯一無二の誇るべき存在である証だ。
彼は、付加価値という表現を嫌い、
「違うやろ。そうじゃない。価値は【生み出す】んだ。」と伝えてくれた。
海士町のコピーにある「ないものは、ない」は、実は「なんでもある」ということ。
ない物ねだり、隣の芝生がグリーンに見えてしまうように
自分を卑下するのではなく、それこそが価値なのだと語ってくれた。
だから、あらゆる要素を集約させて、ギューッと1滴を抽出する→生み出す。
そんなイメージだ。
ただ、これが、むずかしい。
一朝一夕ではできないから、結局また紆余曲折、悩みながら進むのだろう。
それでもあきらめてはいけない。自分たちを信じていこう。
梅原さん、ありがとうございます
まくらのキタムラ
北村圭介
北村 圭介
株式会社キタムラジャパン
代表取締役
大正12年創業の枕専門メーカー「枕のキタムラ」4代目。曾祖父から伝わる経験やノウハウを活かし、眠りに対するキタムラのエスプリを枕にしています。枕屋4代目のブログ「まくろぐ」では、枕のことがメインですが、睡眠やモノづくり、マーケティングなど独自の想うことを書きます。