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売り場?お買い場?そうじゃなく。。
商業施設の立ち位置って、これからどうなるのだろうか。
当たり前だが、商業施設では、「商業」なので、売る側と買う側の関係ができる。
こちらメーカーは売ることを意識してしまい、客はそれに構えてしまう。
催事でよくある、売れたね、売れなかったね、という一喜一憂は、
運営としても結構、精神的な影響大きいのだ。
正直、これは、やはり、今っぽくないと思う。
以前、ハイウェイのサービスエリアでイベントをしたとき、
幹部が共有してくれた内容が、我々にとっては新鮮な体験だった。
彼が言うのは、そこにくる客は、
・開放的な心理
→接客の入り口が「売り買い」ではなく、コミュニケーションしやすい。
「どちらからですか?」「どちらへ行かれますか?」という和み感。
・一期一会。旅の思い出。
→言葉を選ばず言うと、財布のひもが緩い。
「え、こんなところで枕売ってるの?」
「へぇ、せっかくだから買って帰ろうか、車も近くに止めてあるし」
・長旅の疲れ
→枕=睡眠との親和性が高い。
「よさそうじゃん。うちに帰ったら、これでゆっくり寝てみたいね。」
なんとも、消費者へ「刺さった」感(インサイト)があったという。
とはいえ、そんなたくさんは売れたわけではない。
ただ、人との交流という意味で、お互いの関係が非常によかったのだろう。
自然光が入る場所だったというのもあるかもしれない。(これ、結構大切かも)
●●(大手不動産。以下A社)がいいと思っていて、勝手にこんなことを考えた。
彼らの運営する館(やかた)でやれたら、そのコラボの仕方をもう少し掘り下げたい。
我々だけがやっているのでは、いつまでも点でしかない。
そこだけのイベントではなく、いくつかの箇所、
例えば、ホテルや旅館、移動の電車やバスとかと絡ませればもっと魅力だ。
A社は宿泊施設も交通機関もあるから、同時多発的な企画ができたらおもしろい。
(グループ内の仲が、あまりよくないという噂は耳にするが。。。)
話はかなり飛躍するが、モノを売る、どこかへ行く、何かを食す、
それらを、バラバラにやっているのがもったいないと感じている。
それをちゃんとつなげれば、日本の価値はもっと高まるはずなのだ。
東京に全国各地のアンテナショップあるが、せめて一か所にまとまらないものか。
(それぞれ思惑はあるだろうが)
旅の行き先を、そこから決めたってよくないだろうか?
「この商品おもしろい!」「これ食べてみたい!」
A「隣で食べられます」
→便利だが、単なる売り買いにしかならない。つまらない消費。
B「じゃ、そこまで、行ってみましょう!これに乗って、はい、出発!」
→かなりワクワクする。
個人的には、旅なれたシニアやインバウンドの取り込みをもっとできると思っている。
いつも疑問に思うが、パンフレットにある旅行代金の細かい設定、彼らは気にしないはず。
それよりも「月額20万円で全国1か所1泊2日の旅」とか、「年間300万で10か所行ける」など、
スペクタクルな非日常のアクティビティが求められていないだろうか。
確か、A社の商業施設の上層階には、そういうフロアが入ると伺った記憶があるが、
そこと、2階3階のアパレルが連携して、旅の装いも一緒にコーディネートして、
持ち込むお弁当は同じ施設内のレストランでもいい。
そして、旅先の宿には、お客さんの買ったキタムラの枕がちゃんと置いてある。(ここ本業。)
世の中に、うちはうち、あっちはあっちというようなツレナイ商業施設が多い気がする。
そうじゃなくて、こっちのお客さんを、あっちのお店にお連れして、
あっちのスタッフが、いいものあるよ、と違うカテゴリーの、この商品を紹介して、、、
そんな風に商店街っぽいような、館内のショップが交流しながら、
一緒にお客さんを迎え入れるのはステキだなぁと思う。
最近、新たなコンシェルジェスタイルを導入した百貨店が不評と聞くが、
それは、人が介在せず、DATAだけで共有しようとしたからではないだろうか。
外商が一手に承るのではなく、それぞれのショップやレストランが、
専門家としてそのお客さんと付き合っていき、
そんな客が一人ずつ増えていき、彼らがA社の顔になっていったらいいのではと一人妄想する。
まくらのキタムラ
北村圭介
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北村 圭介
株式会社キタムラジャパン
代表取締役
大正12年創業の枕専門メーカー「枕のキタムラ」4代目。曾祖父から伝わる経験やノウハウを活かし、眠りに対するキタムラのエスプリを枕にしています。枕屋4代目のブログ「まくろぐ」では、枕のことがメインですが、睡眠やモノづくり、マーケティングなど独自の想うことを書きます。