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お供え物に電力?の国
先日、経営者の仲間10数名と、研修旅行のためミャンマーへ赴いた。
初めて訪れた国で感じた様々な衝撃について、あくまで自分目線であるが、それを記しておきたい。
【衝撃その1 自国通貨の不信】
ミャンマーへ入国し、さっそく現地通貨「チャット」へ両替をした。(100円=1200チャット程度)
最近少しデザインがよくなったとのことだが、アジア圏特有のチープな感じが否めない。
ただ、それ以上に難点は、自国通貨が全く信用されていないこと。
帰りにタイへ寄ったのだが、空港の両替所で「チャット」出した瞬間、
こちらが言葉も発するよりも早く、あからさまに首を振られた。
どういうことか?そう、「両替できない」のである。
え?ミャンマーは隣の国ですよね?
そんなこと関係ない。チャットは要らない。使えないから。
そもそも銀行というのも信用されていないため、ほぼ皆、タンス預金。
お金持ちの家には、自宅の一室が金庫状態になっているのだそう。
マンションを買うのも現金なので、それこそ頭陀袋に入れ、現金輸送車よろしくトラックで搬送する。
【衝撃その2 資源のない国の悲しさ】
アパレルの縫製工場を見させてもらうことができた。
知人は、そこの工場で作られた製品を、年間1億円ほど購入している。
その圧倒的な規模に、度肝を抜かれた。。。
ここでは、1000人の工員が、800台の最新型ミシンなどを使って働き、
Tシャツなら、実に月産80万枚の生産量を誇っている。
9割が20歳に満たない女性で、50台のバスで送り迎えをしている。
そして、ここから10分ほどに、倍の規模の工場も最近建てていた。
この工場は、中国資本で、工場を建設するための建材から機械、何から何まで、
陸路によって中国から運び込まれ、この地でビルドアップしている。
新興国のインフラを先進国が整える。それがODAだが、こちらは少し違う。
なぜなら、中国は、こう言う。「使うのは中国」
すべての中国企業がそのように考えているわけではないが、一般的にはそう言われている。
人手だけが頼りにされているように思う。
これほど最新鋭の機器が投入されている工場だが、周辺地域はこんな状態。
【衝撃その3 布施こそ誉れ】
必ず出家をし、修行をしなければならない出家至上主義、南伝の上座部仏教を信仰する彼らは、
自分たちの代わりに日々修行をする僧を敬い、彼らを厚く施すことで慈悲を得ている。
だから、彼らは稼いだモノは惜しみなく、全国各地の寺院へ納めている。
そして、こちらが総本山ともいえる、シェ・パゴタ。
建てられたのは仏陀が悟りを開いたという2500年前と言い伝わる。
8000枚を超す金のプレートと7000個の宝石が嵌められて、でできているというから、驚きだ。
てっぺんには、76カラットのダイヤが輝いている。
とにかく装飾はすごく、もちろんこれらすべて信者たちの寄進によるものだが、
最近、流行りの傾向に、さらなる衝撃が走った。
その映像がこちら。
えーー、やりすぎでしょ。安っぽい!などとの声が聞かれる。
私もそう思ったし、同行していた誰もがそう思っていた。
しかし、その真意は、予想をしないものだった。
前述したが、資源のないこの国では、電力は大変貴重で、
自分たちでは手に入らない、高価な代物の一つ。
そう、つまり、「だからこそ、それを神様へお供えしている」というのである。
なんてことか。。。その信心深さに言葉が出なかった。アジアでよく見る、派手な装飾とわけが違う。
ちなみに、ミャンマーの巨大な涅槃仏は、タイのワットポー46mに対し、こちらはなんと体長70m!
下にいる人たちと比べて、いかに大きいかがお分かりいただけるだろう。
お気づきの方もおられると思うが、枕を使っていない。。。orz
さておき、見えているモノだけで物事を判断すると、本質は決して見えてこない。
今回の研修で、新たな価値観という大きな財産を得ることができた。
やはり、異国を見ることは、とてつもなく意義のあることだ。
まくらのキタムラ
北村圭介
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北村 圭介
株式会社キタムラジャパン
代表取締役
大正12年創業の枕専門メーカー「枕のキタムラ」4代目。曾祖父から伝わる経験やノウハウを活かし、眠りに対するキタムラのエスプリを枕にしています。枕屋4代目のブログ「まくろぐ」では、枕のことがメインですが、睡眠やモノづくり、マーケティングなど独自の想うことを書きます。