トップ > 枕 > バスで東京へ行った(妄想編)
バスで東京へ行った(妄想編)
目指す相手は、東京の商社で働くK.MIHOちゃん。
久しぶりの恋人との再会に胸を躍らせながら、高速バスに乗る枕男。
道中2回の休憩があるが、個人的には一気に走ってほしいと思った。
ただ、降りると分かる、カラダの疲労感。
それよりも運転手さんのためでもあるのだろう。
安全がいちばんです。
車内を見渡すと、いかにも事情ありそうな人たちばかりだ。
もちろん話しかけることなどしない。それよりも必死にSNSに興じている世の中。
旅は道連れなどといった言葉はすでに風化している。
そんなこと気にするより、僕も着いてからのことを考えたい。
彼女は茅場町で働いている。新宿駅に着いたら、まず中央線で東京駅へ。
18時の待ち合わせまで、時間はすこしあるから、東京駅から歩いて茅場町まで向おう。
途中、高島屋日本橋店で、彼女の好きなガーベラの花を混ぜたブーケを買っておく。
ついにMIHOちゃんと再会。
本当は諸手を挙げて抱きしめたい。ただ、もちろんそうはできない。
あいさつも早々に、僕らは永代通りでタクシーを拾って、豊洲へと向かう。
ちなみに、もちろん僕だけなら、当たり前に電車に乗る。
(こっちは2700円の高速バスで来とるんだでね。
下手したら、茅場町から豊洲の間でもそのくらいかかるがん。)
そんな内心はおくびにも出さず、外資系ホテルの名を告げた。フレンチを予約してある。
MIHOちゃんはお酒がだいぶ飲めるようになったようだ。ワインは2本空けた。
食事のあとは、アカデミー賞最有力の映画を観て、デッキを散歩する。
「豊洲って日本初のコンビニとして、セブンイレブンの日本一号店ができたんだよ」、なんて
逆に、僕がバスの中でウィキってきた「豊洲うんちく」を披露しつつ、ベンチに座る。
時間は夜、22時を回っていた。
ちょうど心地の良い夜風が吹く。
二人の、ほてったほろ酔いの頬なでる。
すこし乱された髪をかき上げるMIHOちゃん。
見つめる僕。
次の瞬間、
目が合う。
MIHOちゃんは慌ててそらそうとする。
僕は彼女の肩を掴む。
いい雰囲気。
そして・・・
・・・そんな一日を過ごすために、高速バスで寝だめしようとしたら、なんと
首を、寝違えていた。
とまぁ、こんな屈辱的なことはないでしょう。
そのためにも枕のキタムラは、すぐれた携帯枕を開発する義務があると思っています。
枕のキタムラ
北村圭介
トップ > 枕 > バスで東京へ行った(妄想編)
北村 圭介
株式会社キタムラジャパン
代表取締役
大正12年創業の枕専門メーカー「枕のキタムラ」4代目。曾祖父から伝わる経験やノウハウを活かし、眠りに対するキタムラのエスプリを枕にしています。枕屋4代目のブログ「まくろぐ」では、枕のことがメインですが、睡眠やモノづくり、マーケティングなど独自の想うことを書きます。