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茶道を誤解していました。
メイドインジャパンプロジェクトの総会が開催されました。
実は、現在、当NPO法人は内閣府への申請をしていて、来期からは、
いよいよ全国でも我々の考えるスキーム(枠組み)を展開させやすくなります。
これにより各都道府県で、それぞれのメイド・イン・00が立ち上がり、
「東京の右にならえ」ではなく、地域性のある、独立した個性を発揮でき、
日本のものづくりの文化や歴史、心を絶やすことなく、
互いに磨き上げていけることが、理想となります。
大きいことを言っているのかもしれません。
しかし、「棒ほど思って、針ほど叶う」という言葉もありますし、
その逆に、針が集まって、棒となることもあります。
理想は理想としてきちんと掲げ、
現実はそれに向かい、何をしていくかが大切だと感じます。
堅い話ですいません。
さて、総会後には、セミナーを開催しました。
今回、お招きした講師は、表千家である茶人、藤村智先生です。
先生には、日本のものづくりと文化を茶道という視点から、
お話をしていただきました。
この話が、本当に聞いて良かったと、目から鱗が落ちすぎました。
お茶の話をすれば、はずせないのが、千利休。
信長や秀吉の時代において、茶道という道を確立させた人です。
ちょうどpenでも特集をされていました。
こちらの表紙にも書いてありますが、
あえて現代的な表現を使えば、クリエイティブディレクターと称されるほど、
彼は卓越した発想の転換をする力の持ち主だったようです。
セミナーの内容について書いていると、膨大な量になるので、
その中のほんの一部分を切り取ってお話しします。
街を歩くと、そこら中で見かける、「茶道教室」の看板。
ここで習った方もいるかもしれません。
しかし、実は、この大半が、茶道の本質は学べないそうです。
茶道のお手前(動作)には、一つ一つ意味が込められていて、
それは時と場合、季節、人によって、変えられるとのこと。
稽古にきた人が何を学びにきているのかの背景を察して、
それに準じた稽古を付けてやらなければならない。
つまり、その中にあっては、形(作法)などあってないようなもので、
それらに、捕らわれてはいけないのです。
これは茶道に限ったことではないと思います。
茶道だけでなく、どんなことでも、当然、商売でも、
相手が求めているものを提供し続けなければ、お客さんはつきません。
文化という部分では、例えばお花見一つとっても、
ソメイヨシノという桜は、歴史の浅い桜で、幕末に開発された園芸品種で、
その成長の早さから、急速に市場へ流れたといいます。
現代の花見は、どこへ言っても、ビニールシートが敷かれて、
ビールを飲んで、酔っぱらって羽目を外している。
一過性のものに身をゆだねることに、風情などと言う言葉はありません。
これ以上は、僕の口からは言えませんが、ひとつ言えることは、
僕を含めて、本質を見極める必要がもっとあるのではということ。
「春に桜の画の書かれた茶碗を使ってはならない。」
これが「なぜか?」と言うことを、皆様にもお考えいただきたいと思うわけです。
長々とすいませんでした。
これらは、あくまで僕なりに解釈ですので、怒らないでください。
しかし一体、僕はどこへ向かおうというのでしょうか・・・
まくらのキタムラ 北村圭介
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北村 圭介
株式会社キタムラジャパン
代表取締役
大正12年創業の枕専門メーカー「枕のキタムラ」4代目。曾祖父から伝わる経験やノウハウを活かし、眠りに対するキタムラのエスプリを枕にしています。枕屋4代目のブログ「まくろぐ」では、枕のことがメインですが、睡眠やモノづくり、マーケティングなど独自の想うことを書きます。