トップ > その他 > 「取り引き」から「取り組み」へ
「取り引き」から「取り組み」へ
先日、大きな封筒が届きました。
差出人は、三越伊勢丹様。
始めてお付き合いのキッカケをいただいたとき、今から2年ほど前でした。
釣りに例えては大変失礼ですが、いただいたメールを慎重に読みとり、
アポイントを取り、ドキドキしながら商談しに行ったことを今でも覚えています。
担当バイヤーは、私と同じくらいの歳で、話もうまく進み、ほぼその場で決まりました。
その時、彼が表現したのが、「お取り組み」でした。
「取り引き」はお互いのものを取ったり、引いたり、そんな印象、ありませんか?
「百貨店言葉」かどうか分かりませんし、当たり前の表現だったかもしれません。
でも、私はその時に初めて聞いたこの表現で、なんだかすごくワクワクしましたね。
帰社した私はさっそく、バイヤーへお礼のハガキを送りました。
裏には、西洋のタッチで描かれた相撲取りのイラスト。
「これからもよい取り組みができたら幸いです」と文面を締めくくりました。
後日談ですが、ハガキを受け取った彼は、その意味に気づいていませんでした(苦笑)
でも、その話をすると、喜んでくれ、より距離が近くなったように思いました。
その日は、夜中まで一緒にたくさん呑みました。
何を話したとか、ぜんぜん覚えてません。
ただ、その時に教えていただいたお酒が、ラム酒「ロンサカパ」。
それ以来、私はそのお酒が好きになりました。
どこか劣等感を抱いていたのかもしれません。
弱小メーカーとしての下から目線というか。
出会いがよかったからかもしれませんが、それは誤解でした。
それから2年が過ぎ、前述の封筒です。
手に取り、開封すると弊社と本口座契約をしたい旨の書かれた
何枚もの書類が、どっさりと入っていました。
下請け脱却を声高に叫んで、やってきた10何年。
信用もブランドも、何もなかったころ、与信がなく、商売を暗に断られたこともありました。
口座を貸してもらうだけで問屋へお金も払いました。
そのころから比べたら、三越伊勢丹グループと肩を並べた契約書は、とても感慨深い。
これからも弊社はイイモノ・枕を作り、三越伊勢丹さんに伝えていただいて、
いろいろな方と出会うキッカケを増やせて行けたらと思います。
取り組みの中で。
枕のキタムラ
北村圭介
トップ > その他 > 「取り引き」から「取り組み」へ
北村 圭介
株式会社キタムラジャパン
代表取締役
大正12年創業の枕専門メーカー「枕のキタムラ」4代目。曾祖父から伝わる経験やノウハウを活かし、眠りに対するキタムラのエスプリを枕にしています。枕屋4代目のブログ「まくろぐ」では、枕のことがメインですが、睡眠やモノづくり、マーケティングなど独自の想うことを書きます。